社会問題になっている腰痛

介護職員の人手不足は深刻な社会問題となっている。
年間約28万人が離職する原因には、体調の悪化や精神的な疲労など「健康」に関する理由が少なくない。
老人施設での勤務は夜勤もあって不規則になりがちだ。
そのうえ正しい姿勢で介護をしないと、無理な力が加わって腰痛になってしまう。
まず介護する側が自分の健康維持をしなければ、高齢者の世話をすることが困難になってくる。

厚生労働省の調査によると、労働者全体で腰痛を発症する原因として、作業時の取扱対象が「人」である場合は、83.5%。
次に多い「荷物の上げ下ろし」は5.3%となっており、圧倒的に介護現場における作業内容を示している。
介護労働では前かがみや中腰の作業や腰をひねるなどの動作を伴う。
高齢者を車椅子からベットへ移動させるなどの介助は頻繁に発生するからだ。
そのような場合、「高齢者の足の間に自分の利き足を入れて、膝を伸ばすことによって抱えあげる」などの人体構造を理解した方法「ボディメカニズム」の知識が役に立つ。

雇用側が研修などを行うこともあるので、積極的に参加し知識を深めることが大切だ。
また、普段から筋トレを行い、自分自身が正しい姿勢を保つようにしたい。
腰の疲労感があったら休憩することも必要だ。
最近では設置式リフトやスタンディングマシーン、スライディングボードなど様々な介護の補助器具も出てきている。
今後はロボット型の介助器具も出てくることだろう。
しかし、最終的には、自分の体は自分で守るという意識をもつことが重要だ。